少子高齢化社会に到来によって、日本の国は随分とライフスタイルが変化して来ました。
就活ではなく終活という言葉が最近世間で流行っています。
残された家族に迷惑をかけないために、自分が元気な間に不要な荷物を整理する、そういった取り組みが進んできました。
遺品整理は想像以上に遺族にとって負担が大きい作業です。
いわゆる現役世代の人々は仕事や育児に忙殺され、そこに親や祖父の残した荷物の整理整頓や処分まで、仕事が加わると生活に大きな支障を来すのが実情です。
デジタル遺品が原因のトラブル
IT技術の進歩によって「遺品」の形も変わりました。
今までは物理的なアルバムや手紙がメインでしたが、今ではパソコンのハードディスクやSDカード、スマートフォンやタブレットに保存されたデータなども多く残される事になり、それがデジタル遺品と呼ばれています。
SNSのアカウントや故人が生前に熱心に更新していたブログや運営していたホームページ等も広義のデジタル遺品です。
親や祖父のパソコンを売却したところ、私的な写真や動画が残っており買取NGになってしまったり、遺族が恥ずかしい思いをする等、デジタル遺品が原因のトラブルが既に起きています。
SDカードやタブレットは小さな製品ですが、記憶媒体の容量は大きく大量の私的な動画や写真が保存でき、その内容が少し他人に見せられない、というケースは少なくありません。
更に故人が生前に運営や利用していたSNSやHPやブログ、こういった物も個人情報の塊であり、遺族としては削除や閉鎖を申し入れたいと思うところなのですが、本人しかIDとpasswordを知っておらず、デジタル遺品が宙に浮いて手出しできない、というトラブルがやはり既に多発しています。
みんな事前に処理したい
ひと昔前にはなかったタイプのトラブルですが、既に世間では問題視されており、特にネットユーザーの間では問題意識が高まって来ました。
みんな事前に処理したいと内心考えているのです。
ハードディスクやスマートフォンには大量のデータが保管でき、個人的に収集した趣味の動画や写真が溜まっており、それをどう安全に処分すべきか、普段から考えているものです。
最近はエンディングノートに自分が亡くなった後、そういったデータ系の処理について残された家族にお願いする動きが目立って来ました。
家族の方もそういった故人のメッセージがあれば、ハードディスクやタブレットなどを安心して処分出来ます。
SNSやホームページのIDやpasswordなどもエンディングノートに明記しておけば、万が一の時も家族が都合に合わせて削除をしたり、閉鎖の手続きが出来ます。
あるいは生前からその道の専門家に相談しておき、家族に変わってデジタル遺品の処理を、いざという時に代行してもらうように依頼しておくのも良い案です。